ざっくり解説:パソコンのCPUとは?

 
 パソコンを選ぶ際に重要なパーツの一つが「CPU」です。CPUはパソコンの頭脳ともいえる存在で、その性能によって快適さや処理速度が大きく変わります。本記事では、ざっくりとCPUの基本をわかりやすく解説します。

① CPUの機能・役割

 CPU(Central Processing Unit)は、日本語で「中央処理装置」と呼ばれ、パソコンの計算やデータ処理を担当する部品です。主な役割として、以下のようなものがあります。

  • プログラムの処理:ソフトウェアが指示する計算や制御を実行する。

  • データの演算:数値計算や論理演算を行い、適切な処理結果を出す。

  • 指示の管理:各パーツ(メモリやGPUなど)と連携しながらタスクを実行する。

 CPUの性能が高ければ、パソコンの処理速度が向上し、複雑な作業もスムーズに行えます。

② CPUの性能を図るためのポイント

 CPUの性能を確認する際に注目すべきポイントは以下の通りです。

  • コア:コアとは、実際に計算処理を行う主要なプロセッサユニット
    昔のCPUは1つのコアしか持たない「シングルコア」でしたが、現在では複数のコアを持つ「マルチコアCPU」が主流です。
     コアの数が多いほど、一度に処理できる作業量が増えるため、パフォーマンスが向上します。例えば、4コア(クアッドコア)のCPUは、1コアのCPUよりも4つの処理を同時に進められるため、高速な動作が可能になります。

  • スレッド数:CPUコアが同時に処理できる作業の単位
     基本的にCPUのコアは、データをひとつずつ順に処理します。スレッド数が多いと、コアの処理能力に余裕があれば、ひとつのコアで複数のデータを同時に処理できるようになります。
     例えば、4コア 4スレッドだとCPUの処理能力に余裕があっても、処理効率の向上はしませんが、4コア 8スレッドのCPUであれば、処理能力に余裕がある時はさらに多くのデータを同時に処理ができるようになります。

  • クロック周波数(GHz):CPUが1秒間に行う処理の回数
     例えば、「3.5 GHz」のCPUは1秒間に35億回の処理サイクルを実行できます。
    一般的には、クロック周波数が高いほどCPUは1秒間により多くの処理が可能となり、動作が早くなります。

  • キャッシュメモリ:CPU内にある一時的な記憶領域
     CPUは通常、データをRAM(メインメモリ)から取得しますが、RAMのアクセス速度はCPUよりも遅いため、毎回データを取りに行くと処理が遅くなります。
     処理効率を向上するため、キャッシュメモリにCPUが頻繁に使用するデータを一時保存して、処理を高速化するための超高速メモリです。

  • TDP(熱設計電力):消費電力と発熱量の指標
     CPUが最大負荷を発生する熱量(消費電力に近い)をワット(W)で表したものです。
     TDPが高いCPUは、パフォーマンスが高い代わりに発熱、消費電力が増えるのが特徴です。

③ CPUメーカーとブランドの特徴

 現在、CPUは主に、Intel(インテル)AMD(エーエムディー)のメーカーが提供しています。Intel製とAMD製のCPUではどのような違い、特徴があるか紹介していきます。

Intel(インテル)

  • 代表的なブランド:Core iシリーズ (Core i9, i7, i5, i3)
                     (Core Ultra 9, 7, 5)


  • シングルコア性能が高く、安定した動作が特徴。

  • 高性能モデルはゲーミングやクリエイティブ用途に適している。

  • 2024年第3四半期のデスクトップCPU市場におけるシェアは、Intelが71.3%

AMD(エーエムディー)

  • 代表的なブランド:Ryzen(Ryzen 9, 7, 5, 3)

  • マルチコア性能が強く、コストパフォーマンスに優れる。

  • ゲーミングや動画編集向けのモデルが豊富。

  • 2024年第3四半期のデスクトップCPU市場におけるシェアは、AMDが28.7%

④ CPU型番の見方

CPUの型番は性能や世代を示す重要な情報です。以下に代表的な例を紹介します。

IntelのCPU型番の例

Core i913900F

  • Core i9:シリーズ(i9 > i7 > i5 > i3の順に高性能)
     
  • 13:世代(この場合、第13世代)

  • 900:モデル番号(大きいほど上位モデル)
接尾辞末尾による性能の違い
無印Core i9-13900通常版
CPU内臓グラフィック搭載
オーバークロック非対応
FCore i9-13900F   無印と性能は同等   
CPU内臓グラフィック非搭載
(グラフィックボード必須)
   オーバークロック非対応   
KCore i9-13900K無印より高性能
CPU内臓グラフィック搭載
オーバークロック対応
KFCore i9-13900KFKと性能は同等 
CPU内臓グラフィック非搭載
(グラフィックボード必須)
オーバークロック対応
KSCore i9-13900KSCPU内臓グラフィック搭載
オーバークロック対応
TCore i9-13900TCPU内臓グラフィック搭載
省電力モデル

 

AMDのCPU型番の例

Ryzen 9 7900X

  • Ryzen 9:シリーズ(Ryzen 9 > 7 > 5 > 3の順に高性能)
  • 7:世代(この場合、第7世代)
  • 900:モデル番号(大きいほど上位モデル)
接尾辞末尾による性能の違い
無印Ryzen 9 5900
Ryzen 9 7900
通常版
CPU内臓グラフィック非搭載(Ryzen5000seriesまで)
CPU内臓グラフィック搭載(Ryzen7000series~)
XRyzen 9 5900X
Ryzen 9 7900X
無印より高性能
オーバークロック対応
CPU内臓グラフィック非搭載(Ryzen5000seriesまで)
CPU内臓グラフィック搭載(Ryzen7000series~)
GRyzen 7 8700GCPU内臓グラフィック搭載
CPUの処理性能が少し低下
内臓グラフィック性能が高くなっている
FRyzen 7 8700FCPU内臓グラフィック非搭載
X3DRyzen 9 7900X3Dオーバークロック対応
CPU内臓グラフィック非搭載(Ryzen5000seriesまで)
CPU内臓グラフィック搭載(Ryzen7000series~)
CPUの処理性能が少し低下
ゲーム性能が非常に高い

Intelと共通のCPU注意点

  • 古い世代の上位モデル(Intel i9 , AMD Ryzen 9)より、新しい世代の下位モデル(Intel i7 , Ryzen7)のほうが、性能が高い場合がある。
  • Windows 10のサービス終了が2025年10月14日で、Windows 11を使用できるCPUの型番が決まっている。

     某フリマサイトやオークションサイトで、超高性能!Intel-i7 , Ryzen 7と表示し古い世代の低性能CPUを搭載したPCを高値で売ってたりするので注意が必要です。
     Windows 10のサポートは2025 年 10 月 14 日で終了します。サポートが終了してしまうとセキュリティ更新プログラムやテクニカルサポートが提供されなくなります。そのため2025 年 10 月 14 日までには、Windows 11を使えるようにしましょう。
     Windows 11を使用できるCPUは、Intelでは、第8世代以降。AMDではRyzen2000series以降と決まっています。それより古いCPUでは、Windows 11を使用できないので、気を付けましょう。

まとめ

 CPUはパソコンの動作を決める重要なパーツであり、PCに求める使用用途によって、選択するCPUは違います。IntelとAMDのブランドの特徴を理解し、型番を見て性能を判断できるようになれば、より賢いPC選びができるようになります。
 PCは、安い買い物ではないので、知識をつけてから自分の使用用途に合わせたPCを選べるようになりましょう。

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